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弁当とベント(中丸君の奮闘記)       2007年2月21日

ベント材と弁当を間違えてどうする!

 自ら志願して、トレーラー配車をやり始めた我営業所のルーキー"中丸君”
およそ一週間を経過したが、それなりに頑張っている。
顧客先や業者との電話応対もなんとかこなしている、一昨年転勤してきた当初は関西弁に戸惑い、受話器を握ったまま失神状態になっていたときから見れば、雲泥の差だ。

 とはいえ、まだまだヒヤヒヤの連続だ。大きなミスを生じないと思われる範囲で、彼の思い通りにさせている、小さな失敗は毎日のことだ。失敗が次の仕事に繋がる、配車係は経験が最重要な職種だ。「多分失敗するな」と思ってもその時点では指導しない。彼が『しまったっ!』という表情をするか、質問報告に来たときにだけアドバイスする。

 しかしさすがの私も「プッ!」と噴出す珍事件(?)がおきた。

d0083265_11382843.jpg 顧客である各メーカーから受注(主に電話)すると、配車表という用紙に手書きで必要事項を記入、その後適切な車輌を決定、乗務員・業者宛てに集荷指示書を送り、オーダー確定をする基本の帳票だ。毎朝私の元へ配車表のコピーを持ってこさせる。いつものように上から確認していくと、中段位の行の「製品名」のところに、弁当材と記入してある。

d0083265_1222285.jpg 関西人、特に年配者は、弁当のことを「べんと、ベント」と発音する人がいる。発注者のお客さんもご高齢だ。「それにしても、弁当はないだろう・・20トントレーラーで運ぶとなったら、何千個の世界だぜ、常識で考えろ」注意しながら、余りの勘違いに笑ってしまった。中丸君真っ赤な顔をしている。 ベント材 というのは、橋脚や歩道橋、それに高速道路の建設の際、鉄桁を取り付ける前に仮組みをしておくサポート材のことで、足場・支保工・ベント材(仮設機材)と呼ばれるものである。


 この業界(輸送業)の宿命だが、とにかく運ぶ製品名を覚えるのが一苦労だ、あらゆるメーカーのあらゆる製品名、少なくとも5000種は名前と形態が一致しなければ務まらない。
我社の業務システムにも4000以上の製品名コードがある。それと厄介なのは省略語と隠語があること。

 たとえば、鋼材メーカーの製品名、普段電話などで受け付ける時の呼び方を、ひらかなで並べてみると。

 「しーちゃん」 「えっち」 「ぼうこう」 「せんざい」 「まるぼう」 「まがり」 「たいけい」・・
業界外の人には分けのわからない名前がずらりと並ぶ。
漢字に直すと。
 「C型チャンネル鋼」「H型鋼」「棒鋼」「線材」「丸棒」「曲がり管」「大径管」となるわけだが、それ以外にも、エポキシバー・スラブ・インゴット・デッキプレート・サイディング・コラム・ブラスト・フラットバー等々の横文字製品が数百種類、全製品名は数えたことはないが膨大な量になる。

 
 鋼材関係以外のメーカー、建材・紙・石材・窯業・硝子・コンクリート・機械・食品・・・それぞれ何百もの製品名も覚えて理解しなければならない。

 それに加えて、車輌の各部の名称、トレーラーなら「シャーシ」「ヘッド」「アオリ」「ラクチン」「トリイ」「カプラー」「ポール」「ヤッコ」「段落ち」「低床」くらいは最低理解しておかないといけない。

 積込時に使う資材の名称や、作業の呼び方も複雑だ、「マンボウ」「ガッチャ」「ヒッパラー」「シャッカク」「フトカク」「ホソカク」「レバーブロック」「ラッシングベルト」・・・「ケツダシ」「ボウズ」「テヅカミ」「パレチーナ」・・・頭が痛くなる。

 極め付きは、運転手たちの<隠語>・・解説はしないが、「地べたを這う」「スライド」「カチカチ」「げんこつ」「とんぼ」「しゃりこつく」「でこぽん」「ぴーひゃら」・・・・・


 やる気満々の、中丸君。わかるかなあ~

 とにかく、自分で勝手に決めつけたり、解釈しないこと。判らなければ聞けばいい。
『スミマセン、どういう物でしょうか、慣れないもので・・』といえば教えてくれる。

 もし、ベント材弁当材で運転手に指示書を送っていたら、その時点で、中丸君の配車係としての生命は消えてしまっただろう。


 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。

by mahalotakashi | 2007-02-21 12:59 | mahalo@仕事