シチリアのグラニータ(Granita)と、ローマのグラッタケッカ(Grattachecca)
【本日のレストランガイドはお休みです】
シチリア発祥の氷菓「グラニータ(グラニタ)」(Granita)
昨日UPした芦屋のリストランテ・ラッフィナートの料理記事の中で、レモンのグラニータ(写真)を紹介しましたが、本日はもう少し詳しくグラニータについてご説明させていただきます。
普段なにげなく食べている料理やデザートなどにも歴史があり、先人の知恵と工夫が生かされているものです。知らないよりは知っていた方が料理を味わう時により一層美味しく愉しく頂けると思います。
フレンチのフルコース料理で、魚料理と肉料理の間に口直しを目的として出されることが多いシャーベット状の氷菓を、グラニテ(フランス語:GraniteまたはGranité)「ざらざらした」と言います。
コースの最後にデザートとして供される場合もあります。
口直し目的のグラニテは、デザートとして供されるグラニテやソルベよりも糖度が低いのが特徴です。
このグラニテは、イタリア・シチリア発祥の氷菓「グラニータ(グラニタ)」(Granita)をもとにしていると言われます。
その昔、シチリアの高い山に降り積もった雪を保存して夏場に取り出し、柑橘類など様々な風味をつけて味わったのが氷菓子(グラニータ)のルーツです。
イタリアの夏の風物詩といえばグラニータ。中でもリモンチェッロ(レモン)のグラニータが人気です。シチリアのリストランテやトラットリア、それにバールなどお店ごとに味が違い、それぞれ個性のあるものを提供。そのレシピは門外不出の秘密とされているそうです(少し大袈裟!)(笑)。
リモンチェッロはレモンから作る南イタリア地方のリキュール。家庭でも簡単に作れるそうでシチリアなどでは出来上がったリキュールを冷凍庫で保存、グラッパのように食後酒として楽しみます。
基本的にグラニータはシロップを凍らせて、お気に入りのリキュールやフルーツとあわせてクラッシュしてシェイクすれば簡単に作ることができます。シロップをクラッシュすることで氷の中に空気がふくまれて口あたりが軽くなります。
プロのお店の場合、シェフによってさまざまなバリエーションがあり、リキュールなどのアルコール類が加えてあるもの、柑橘系などのフルーツを用いたもの、また、トマトなどの野菜で作られたものなどがあります。例としては、グレープフルーツのグラニータ、キウイとキュウリのグラニータなどを挙げることができます。
シチリアでは、昔からレモン、マンダリンオレンジ、ジャスミン、コーヒー、アーモンド、ミント、イチゴ、クワの実などのグラニータの人気が高いようです。好まれる氷の粒の大きさには地方によって差異があります。グラニータにはブリオッシュを添えて食べる習慣があり、横半分に切ったブリオッシュにはさんで食べたり、夏期はグラニータとブリオッシュを朝食とする家庭も多いそうです。
ローマ地方のグラッタケッカ(it:Grattachecca)
同じイタリアのローマ地方ではグラニータを「グラッタケッカ(it:Grattachecca)」と呼びます。
グラニータがシロップやジュース、リキュールを混ぜ加えて冷凍させるのに対して、グラッタケッカは氷の塊を削り、味を加えたもので日本のかき氷に似ています。
つい最近ですが、ファッションビル「あべのHoop」(大阪市阿倍野区阿倍野筋1)1階オープンエアプラザに2012年6月1日、ローマのかき氷専門店「Ralletti(ラレッティ)」がオープンしています。運営はTAWAWA(西区)。
ローマのかき氷「グラッタケッカ」、生クリームとイタリアンジェラートを使った「ドルチェラート」を提供する同店。グラッタケッカを扱うのは日本初という。店舗は屋台風で約6席。
興味のある方は冷やかしがてらに訪店してみてはいかがでしょうか。
by mahalotakashi | 2012-06-05 21:21 | mahalo@食卓