酒蔵夢街道
灘の生一本て、知ってます?
「なだのきいっぽん」と言って、
全国的に有名で、日本酒の代名詞のように呼ばれています。
灘五郷は私の庭
灘五郷というのは、今から250年ほど前の江戸時代に、幕府から正式に酒造りを認められた五つの郷(村)の総称です。東から、今津郷・西宮郷(現西宮市)魚崎郷・御影郷・西郷(神戸市) 明治の中頃から「灘五郷」という呼び名が全国的に認められるようになりました。丁度フランスのワインのメッカ、ボルドーをイメージしてもらえばよいでしょう。
宮水は日本一の名水
宮水とは、六甲山系からの伏流水、西宮市の海岸近くに湧き出ている地下水で、日本酒造りに最も適した硬度(8~9)の硬水です。リン酸塩やカリウムを大量に含んでいます。鉄分が一切ないのでスッキリした雑みのない清酒が出来るのです
西宮に湧き出る水なので、西宮の「宮」をとって「宮水」と呼ばれるようになりました。
昭和60年に環境庁の「日本の名水100選」に選ばれています。(結構ブランドですよ)
生で飲むとこれほど美味しい水は無い!と思うほどです。ただし、熱が入ると駄目、コーヒーやお茶には適さないのです。
灘の酒は男酒
灘の生一本が全国ブランドになったのは、宮水だけの原因ではありません。この地域の環境と自然現象、それに人間気質が大いに影響しています。
西宮は海に近く湿気が有ります、「甲子園球場の浜風」って、聞いたことあるでしょ。それから、阪神タイガースの応援歌にもある「六甲おろし」六甲山から吹き降ろす寒風。
それに加えて良質な酒米、「夢旅庭先小旅行」で紹介した、裏六甲吉川町の「山田錦」が生産されているのです。
杜氏の腕は日本一
そして、丹波や丹後の豪雪地帯から出稼ぎに来る【現在の出稼ぎとは意味が違って、それぞれ腕に自慢の酒造り職人が仕込み時期の冬の間、西宮まで移動してきて技を披露した】杜氏(とうじ)の技術に磨かれて最高の清酒が造られたのです。
キリッ!とした飲み口の、灘の生一本は、江戸っ子から絶賛されたらしく、かなりの量が江戸へ運ばれたようです。その味わいから、灘の酒は「男酒」と形容されました。京都の伏見も日本酒の名産地ですが、こちらは京の食文化に併せて磨きに磨かれ、
そのまろやかな飲み口から、
「女酒」と称されています。
1995年の阪神・淡路大震災で、灘五郷も壊滅的な打撃を受けました。木造の蔵がほとんど崩壊し、見る影も無いほど無残な状況になりました。私も何度か訪れましたが、余りのひどさに涙がこぼれた記憶があります。
しかし、その後各酒造メーカーが協力しあって、3年ほどの短期間に殆ど総てを回復しました。資料館も立ち上げ、新しい施設も積極的に展開、素晴らしいエリアを造り出しました。やはり、灘五郷の底力は伊達じゃなかったのですね。
古い伝統の良さと、新しい魅力を上手く取り入れて魅力的な灘五郷を作りました。
私の晩酌、最近はもっぱらワインとスコッチですが、昔は清酒もよく飲みました。だけど旨いので、ついつい飲みすぎて悪酔いするから控えています。今回は日本酒そのものより、その周辺の魅力ポイントや面白エリア、それと人間と動物のパパラッチをUPして見たいと思います。
キーワードは、「酒蔵夢街道」です。
今津郷から始めて、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷・・とUPして行きます。
ゆっくり、のんびりとね。
質問やご要望、ご意見、感想があればぜひコメントください。必ずお答えします。
◎コテコテ関西(イボイノシシの道草)と、●爽やか関西(酒蔵夢街道)を、並行してUPしていきます。人間にしろ組織にしろ、必ず陰と陽・裏と表などの二面性がありますからね。どちらが好みかは、受取側の感性次第というところですかね(^^)
by mahalotakashi | 2007-06-08 00:15 | mahalo@西宮