小浜島人のピュアーな心に感動(No.4) 2007年2月10日
美ら島回遊2日目午後、アラマンダから、軽四輪レンタカーで小浜島の探索に出発。
レンタカーを届けてくれたお姉さんに、島での食事場所を聞く。『今の時間だと、2軒しかやってないですねー、八重山そばの<やらます>か、集落の<やしの木>でカレーくらいですかね』
ホテル内にレストランもあるが、あえて島の食事を体験してみることにする。
出会いは馬小屋から始まった。
八重山そばの「やらます」は馬小屋を目印に、と教えてもらって、軽四で出発。サトウキビ畑を港に向かって5分ほど走ると、道路の右手に馬小屋が見えてきた。
馬小屋といっても、茶色の馬が一頭いるだけ、後で聞くと馬の名前は「ひろし」と言うそうで、島では皆が知ってる有名馬とか。
馬小屋の隣に、八重山そばの「やらます」があった。この辺一帯が、やらますビーチという場所らしい。
それにしても雑な造りの建物だ、思わず腰が引ける「ホテルへ戻って、 ランチにする?」と女房に聞くが、『なに言ってんのよ!』とたしなめられて、”おかあちゃん”の後に従う。
しかし・・女は大胆だ、どんな環境も気にせず取り込む、彼女は多分私の十倍はこの旅を楽しんでいるようだ。
どうもこの提灯(ちょうちん)が怪しい、保健衛生上大丈夫かいな??
店の中に、山姥(やまんば)みたいな、婆ちゃんがいたらどうする?爪の中垢だらけの爺さんだったら帰ろうぜ・・
ブツブツ言いながら靴を脱いで店の中に入ると、以外や以外、結構モダンなインテリア、それに若い女性が二人で迎えてくれた。「ウソーッ!それならそれで、店の前に顔写真張っておいてよ~!おじさん、こんなお店大好き!」嬉しそうな顔して席につく私を、かなり厳しい表情で睨み付ける女房。
店内は私たち以外はかなり出来上がった親父が一人、私も一杯やりたかったが、レンタカーで来ている、馬鹿なことはできない、ここはグッ!とこらえてジェントルスマイルだ。
お昼のメニューは、八重山そばと、 タコライスだけという。両方頼んだ。
女房はタコライスだ、タコというから蛸飯かと思っていたら、メキシコ料理のタコスからヒントを得た創作エスニック料理だった。
タコライスを持ってきた女の子に、いつの間に覚えたのか女房が『みいはいゆう~』と話しかける、島言葉で「ありがとう」という意味だそうだ。それで一変に打ち解けて彼女たちとお友達になってしまった。
少し喉を詰まらせながらも、八重山そばを完食した。年上らしい彼女が島の見所を身振り手振りで教えてくれる。なんて優しいのだろう、この場所に夜までいたくなった、夜は居酒屋に変身するらしい。
とにかくピュアーだ、純真だ、なんの駆け引きも計算もない、純真無垢とはこういう人のことを言うのだろうか?「二人は姉妹?」と聞くと、カラカラと笑う、その話で5分くらい笑う。
なんと素晴らしい子供たちだろう、遠い昔を思い出した。
やらますの彼女たちに教えてもらって、とりあえず集落に向かい、小中学校の正門前に車を止めた。今日は土曜日学校は休み、島にはこの学校だけ、小学校と中学校が同じ敷地にある。高校は無い。
島全体の人口が550人、子供たちの数もしれてる、学校はハイビスカスとブーゲンビリア、その他の花々でうめつくされていた。
集落の上の方から中学生くらいの女の子が3人、学校の正門前でたたずむ私の方へ歩いてくる。旅行開始の日から髭は剃っていない、突風で髪の毛はボサボサ、サファリジャケットを着て、左手にビデオカメラ、右手に携帯を持ってたたずむ私、どう見ても「不審者」だ。西宮なら間違いなくパトカーが来ているだろう。女の子は間違いなく目をそらせて反対側の道路に移動するだろう・・・石像のように硬直する私、女房はレンタカーの中で化粧直しの真っ最中。
すれ違う小浜島の女子中学生が、私の顔をにこやかに見ながら、『コンチワー!こんにちわー!』と一斉に声をかけてきたのである。
「やあー、こんにちは~・・」 それが精一杯の返事だった。もちろん写真を撮る余裕さえなかった。マジに感動した。
12年前の阪神淡路大震災以来の、人間の心の繋がりを感じた一瞬であった。しかも彼女たちは日常の生活の中で自然発生的にこなしているいるのだ。
感動が押し寄せる、なんと言う素晴らしい島なんだ。
なにか、自分自身の生き方を考えさせられる出会いの後、レンタカーを集落の奥に進めた。できるだけ島人の生活を邪魔しないよう、人間が歩くほどのスピードで車を走らせた。途中で出会った島のおばあーにも、こちらから先に声をかけて挨拶した、深々とお辞儀をするおばあー、目があったらニッ!と笑うおじいー、数十年前の子供の頃の記憶が舞い戻る。
集落の終わりに近づいた時、2人の子供に出会った。これも自分から先に声をかける。
「こんにちは、写真とビデオ撮らしてくれる??」 『ハイッ!』と、明るく返事をくれた。
小浜は動物たちにも天国の島だった。
美ら島の島人の素晴らしさは勿論だが、ここに暮らす動物たちとの出会いも、感動的だった。
犬・猫は当然、牛・馬・山羊・兎・鶏・その他数え切れないほどの動物たちが、小浜島でのんびり生きていた。
彼らに共通するのは、人間をまったく怖がらないこと。手を伸ばしても逃げる様子も無い。そして目が美しく優しい。
島全体が牧場のような小浜島で放牧されている黒毛和牛、この牛たちが神戸牛やら全国の銘柄牛として出荷されるということだ。
子牛時代をこの島で暮らす間、自然の恵みと飼い主の愛情に包まれて、のんびりゆったりの時間を与えられているのだから、美味しい銘柄牛になるのは当然だろう。
多分島人より数多くの牛達が放牧されているようだ。
(島で出会った動物たち・・ほんの一部です)
アラマンダの敷地の中には、孔雀やあひるが放し飼いにされている。これまた人に動じない。
思いのまま生きている感じだ。
感動の連続で、小浜島の第一日目は終了。想像を遥かに飛び越えた空間があることを実感した。明日は島の北部を訪れる予定だ。
アラマンダの夕食は、「シェフにおまかせコース」島魚のブイヤベースをいただいた。それに普段滅多に口にできないイタリア産高級ワインも飲めました。
おやすみなさい
やらます
by mahalotakashi | 2007-02-14 12:00 | mahalo@夢旅